2014/04/27
棚倉町には「都々古別神社」と称する神社が2社、馬場と八槻大宮にあります。
ここは八槻の都々古別神社です。
陸奥国一宮とされる神社の一社です。
社伝によると、味鉏高彦根命(アヂスキタカヒコネノミコト)がその父である大国主命を助けて奥羽の地を開拓し、住民にその徳を慕われ、当地に祭祀されたのが始まりとされています。
日本武尊がこの地に東征したとき、千度戦って千度勝ったとされ、その後陸奥国に来た八幡太郎義家が、この故事を称えて当神社を「千勝大明神(ちかつだいみょうじん)」と名づけたといわれています。
久慈川と宮川が合流する地点の八槻にある都々古別神社も、馬場の都々古別神社と同じく建鉾山の創祀伝承があり、日本武尊が同山から矢をはなち、その落ちた場所「八槻」に創建したと伝えられています。
現社殿は江戸初期の造営で、本殿の腰組の彫刻が見事です。
また、重要文化財の銅鉢や木造十二面観音立像など貴重な神宝が伝わっています。
古くから「やつきさま」の名で親しまれた当社には、モミを入れた藁苞(つとこ)を供えてほかの藁苞を持ち帰り、翌年の12月の霜月大祭に倍にして返す風習がありました。
また、県の無形民俗文化財に指定されている旧暦1月の御田植際には、能・狂言風の所作で稲作の過程を演じる、珍しい儀礼があります。