2017/01/10
秋深くなる山並みに、農鳥岳・間ノ岳・北岳と南アルプスの名山のふところ深く、早川渓谷を訪ねる。
南アルプス最深部にある奈良田の里の奈良時代の女帝が湯治で8年通いつづけたという、やわらか・ぬめりの湯がある。
【奈良田の里温泉】
第四十六代孝謙天皇は女帝であった。生来健康にすぐれず、神仏に快癒を祈願されていた。ある時、夢に老翁が現れて「甲斐の国巨摩郡早川庄湯島郷に効験あらたかな霊湯がある」との神託があった。
天平宝字二年五月、吉野を出発された女帝主従一行は御勅使川に沿ってさかのぼり、ドノコヤ峠を越え奈良田にむかわれた。
奈良田に滞在された女帝は温泉に入浴されること二旬にして病は全快されたが、この地をこよなく愛され、八年間ここに御遷居された。
女帝、孝謙天皇が病をいやされ、御衣を洗われたといわれる霊泉が奈良田の里温泉の泉源になっている。
今年の夏期は暑さが続き、この時期の紅葉には歯切れの悪い山脈であった。
しかし、渓谷美は相変わらずの美容を保つ。
歴史や伝説の色濃い南アルプス街道である。
【須山 浅間神社】
社伝旧記によると景行天皇の時代(110年)、皇子日本武尊が蝦夷征伐のとき、この地を訪れ浅間神社を創起し、更に欽明天皇十三年に蘇我稲目が再興したとあります。
古くより、山岳信仰として「富士山」をご神体として仰ぎ奉っており、当時の度さらなる噴火とも関連し山麓に浅間大神を祭り岳神の霊を慰め奉ったのが始まりと言われている。